昔ながらの尾道ラーメンが食べれるお店 朱鳶ラーメン{新宿御苑}

date_range 2016-07-12
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僕が人生で始めて尾道ラーメンを食べたのは、
22歳の頃、広島の尾道で美大生の友達と一緒に食べたのが最初だった。
その頃僕たちはレジデンシーという、一つの地域に複数のアーティストが一ヶ月間、廃校になった学校で共同生活を送り、その期間内で各々が作品を作り展示会をする、、というプログラムに参加していて、尾道ラーメンを食べたのはそのプログラムの帰りだった。
”せっかくだから、最後に尾道ラーメンを食べに行こう”とその人が提案して、その宿泊先の学校から駅に向かう車の途中で、適当なラーメン屋に入った。
僕はその美大生の友達がちょっと好きだったので、帰りに一緒の車になれたのが嬉しかったし、一緒に居られる時間が少しでも長くなったことが単純に嬉しかった。
ただ、その前の日の打ち上げで、酔った勢いでその友達の彼氏の悪口をボロクソに言ってしまった後だったので、若干気まずくもあった。
(彼女の彼氏はユウタくんという沖縄出身のDJでけっこうな糞野郎だったのを覚えている。 優しすぎる女性の彼氏は高確率で糞野郎、、という法則を僕はこの時始めて知った。)
その美大生の友達は、悦子さん(仮)と言って、僕より2歳年上だった。
だからか向こうが大人になってくれて、散々の彼氏の悪口を言った僕を少しムッとしながらも、いつもと変わらず優しく接してくれたのだった。
”こんなに背脂の載ったラーメン食べちゃったら豚になるね”と彼女は呟きながら、尾道ラーメンの麺を啜る。
”パフォーマンスをしてたら太らないよ、やっぱり人に見られる環境に居続けることが重要だと思う”と当時痩せてた僕は知ったふうな口を聞いた。
僕はこの頃渡米する事が決まっていたので、若干天狗になっていて、自分を天才アーティストと信じて疑わず、いつも格好だけの中身の無い言葉を吐きまくっていた。
彼女は乾いた笑顔でその話を終わらせ、長い黒髪をかき上げながら水を飲んだ。
ああ、綺麗だな。悦子さんと一緒に居られるのも今日が最後か、、と思いながら、水を飲む彼女をボーッと見ていた。
アメリカで一旗揚げて、また悦子さんと尾道ラーメンを食べよう。と心のなかで固く誓った。
そんな彼女は今、フランスに住んでいて、向こうでダンサーだか映画監督だかの旦那を見つけて幸せにやっているそうです。
日本で活動すると言い続けていた彼女がどうしてフランスに渡ったのかはよく知りません。
人生はどう転ぶか解らないですね。
あれから十数年後の自分が、日本でWEB製作会社の社員をやってて、年齢と共にブクブク太ってるのを考えると特にそう思います。

そんな想い出深い尾道ラーメンが食べれるお店が会社の近くにあったのでご紹介します。

詳しくはこちら(食べログ:朱鳶ラーメン)
http://tabelog.com/tokyo/A1304/A130402/13176335/

美味しかったです。
なんか背脂がプクプク浮いてて、ザッツ尾道ラーメンッて感じでした。

person おれかつまの記事

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